【知らないと火災の元?】サウナストーブの耐火施工の基本
投稿者 :サウナハウス on
〜“なんとなく”の設置は危険!安全・快適なサウナをつくるために〜
皆さんこんにちは!
薪サウナの魅力は、何と言っても「本物の炎」であたたまる贅沢な体験。
でも、薪を燃やす以上、火災リスクは常に隣り合わせです。
実は、DIYや中古小屋でサウナを作ろうとする方の中に、
**「薪ストーブをただ床に置いただけ」「壁とストーブが近すぎる」**といった、
危険な施工をしてしまうケースも見かけます。
この記事では、**薪サウナを安全に楽しむために絶対に知っておきたい「耐火施工の基本」**について解説します。
ご自身で設置を検討している方は、ぜひ一度チェックしてください。
🔥 なぜ「耐火施工」が絶対に必要なのか?
薪ストーブの周囲は、長時間高温になります。
実際にサウナ用ストーブを燃やすと、ストーブ周囲の壁や床は100℃以上になることもあります。
以下のような施工ミスは、発火や火災の大きな原因になります:
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ストーブと壁の距離が近すぎる
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可燃材(木材・合板・断熱材など)に直に接している
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遮熱板・断熱材の未設置
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煙突が屋根や壁を穴を開けただけで直接貫通している
安全第一で、必ず正しい「耐火仕様」で設置しましょう。
🧱 1. 薪サウナの耐火施工、どこを気をつける?
薪ストーブを設置する際、特に注意が必要なのは以下の3箇所です:
① 背面・側面の「壁」
→ 可燃材との距離・遮熱材の有無が重要
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ストーブの背面・側面は非常に高温に
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遮熱板なしで木材壁に近づけるのはNG
② ストーブの「床」
→ 不燃材を敷く・熱がこもらない設計に
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金属トレイや耐火パネル、レンガやコンクリブロックなどで床を守る
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カーペットや合板、無垢材の上に直置きは厳禁!
③ 煙突の「貫通部」
→ 断熱材の中を煙突が通らないように施工
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屋根や壁の通過箇所にはメガネ石や断熱煙突などを用いた遮熱処理が必須
📏 2. 必ず確保したい「安全離隔距離」とは?
🔸 最低限必要な離隔距離(ストーブと壁の間)
この表はあくまで一例です、製品によって離隔距離は定められています。
製品ごとの詳細な距離は取扱説明書に記載してあります。
遮熱板なしの場合と遮熱板ありで、このくらい数値が変わるという目安として御覧ください。
ストーブの種類 | 遮熱板なし | 遮熱板あり |
---|---|---|
薪サウナストーブ | 40〜50cm以上 | 10〜20cm程度(製品仕様に準拠) |
※遮熱板とは、ステンレスやケイカル板などの不燃材などで作られた“熱を遮る板”のこと。
壁との間に空気層(通気)を設けると、より効果的です。
🔸 床の保護
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ストーブ脚の下には必ず不燃板 or 金属製トレイ
※床に何も敷かずに設置すると火花がこぼれて延焼してしまったり、底面からジワジワ熱が伝わり木材が炭化、そのまま着火してしまい延焼という事故も考えられます。床材が可燃材の場合は必ず底板を設置しましょう。
🔧 3. 使用すべき耐火・遮熱素材の例
部位 | おすすめ素材 | 備考 |
---|---|---|
壁(遮熱板) | ステンレス板、ガルバリウム鋼板 | 通気層ありが理想 |
床(敷板) | モルタル板、ケイカル板、金属製プレート | レンガ、コンクリブロックでも可 |
煙突貫通部 | 耐火ボード、断熱二重煙突、メガネ石 |
DIYでやる場合は「壁内の断熱材(グラスウールなど)」が近すぎないようにも気をつけましょう!
🧯 4. 安全のために設置したいアイテム
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煙感知器・一酸化炭素警報器(命を守る大事なセンサー)
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消火器(サウナ小屋の近くにおいておきましょう、ABC粉末式がおすすめ)
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通気口 or 給排気ダクト(酸欠や煙の逆流を防ぐ)
✅ まとめ:「安全施工」こそが“本物のととのい”への第一歩
薪サウナの最大の魅力は、火と向き合いながら“ととのう”時間。
でもその火が、間違った設置によって命や財産を脅かすことがあってはいけません。
ストーブと壁の距離、遮熱・断熱の設計、煙突の施工——
この3つをしっかり守るだけで、安全性は大きく向上します。