海外の薪サウナ文化を覗く:フィンランド・エストニア・ロシア比較
投稿者 :サウナハウス on
はじめに
サウナと聞くと「フィンランド」を思い浮かべる方が多いと思いますが、薪サウナの文化は北欧やロシアに広く根付いています。
同じ「薪サウナ」といっても、そのスタイルや楽しみ方には地域ごとの違いがあり、とても興味深いものです。今回は フィンランド・エストニア・ロシア の3つの国に注目して、それぞれの文化を比較してみましょう。
フィンランド:サウナ発祥の地
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特徴
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国民の生活に深く根付いており、人口550万人に対してサウナは300万室以上。
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薪ストーブで焚いた「スモークサウナ(savusauna)」が伝統的。
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香り高い白樺の薪を使い、柔らかい蒸気が特徴。
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サウナの楽しみ方
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ロウリュ(熱した石に水をかける)で室内を蒸気で包み、静かに過ごすのが基本。
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湖畔にサウナ小屋を建て、熱した後は湖に飛び込むというスタイルが定番。
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エストニア:隣国フィンランドに似て非なる文化
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特徴
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「サウナ」ではなく「サウン(saun)」と呼ばれる。
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フィンランドと同様に薪サウナが主流だが、ハーブやアロマを取り入れることが多い。
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サウナ室の中で「ヴィヒタ(白樺の枝束)」を使う習慣も共通。
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サウナの楽しみ方
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家族や友人が集まり、食事や会話を楽しみながらサウナに入るのが一般的。
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「サウナ後にビールとソーセージ」というスタイルもエストニア流の定番。
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ロシア:バーニャという社交場
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特徴
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「サウナ」ではなく「バーニャ(banya)」と呼ばれる。
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熱気が強く、ロウリュを多用して高湿度にするのが特徴。
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薪ストーブに加えて煙突から蒸気を逃さない設計が多く、強烈な発汗作用がある。
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サウナの楽しみ方
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「ヴェニク(白樺やオークの枝葉)」で叩き合い、血行を促進する習慣がある。
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サウナ後には氷水や雪に飛び込み、ウォッカで乾杯するのが伝統的スタイル。
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単なる健康法にとどまらず、社交・コミュニケーションの場としても機能。
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比較して見える違い
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フィンランド:静寂と自然との一体感を大切にする「瞑想型」
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エストニア:食事や団らんと組み合わせる「団らん型」
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ロシア:高温多湿と社交を楽しむ「交流型」
同じ薪サウナでも、国によってこれほど文化的背景が異なります。
おわりに
日本でも薪サウナの人気が高まっていますが、世界に目を向けると多様なスタイルが存在します。
フィンランドの静寂、エストニアの団らん、ロシアの社交。
あなたはどのスタイルで薪サウナを楽しんでみたいですか?